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何が真実?

テレビのコマーシャルが真実なのか、雑誌記事が真実なのか、医療機関のブログが真実なのか。今、解っていることを丁寧に説明したものもあれば、独自の理論を展開したもの、あちこち都合の良い部分を寄せ集めにして組み立てたもの、色々です。それでは何を信じたらいいのでしょうか。
真実は一つしかないという事実だけで、そこに至る道は無数にあるということです。
たとえば、皮膚の作用。「皮膚は排泄器官です・・・・・・・」なる宣伝を聞いて思うことは、皮膚の生理作用の一部を大きく取り上げているところ。何を分泌しているか明らかにしないところはさすがです。汗がでます。この汗には、水分がほとんどのエクリン発汗、脂肪酸を多く含むアポクリン発汗。皮脂も分泌します。でも、これだけではないのです。一番大事なのは対外保護作用。器械的外力、水分の浸入、細菌の侵入を防ぎ、体液の喪失を防止、光の防御などです。次に体温調節。あとはコレステロールやビタミンD3の合成です。
生活習慣で健やかな肌を保つためにはバリア機能の保持が重要。洗い過ぎないことに尽きるのです。何も特別なことではありません。洗い過ぎるから、何か膜を作るものを加えなければならないのです。
肌についてだけでも、疑問符がたくさんつくことが多くあります。
いいことばかり言っている宣伝は疑ってかかりましょう。
栄養が入るとか、しみこむとか・・・・・。
食事や運動についても、色々な方法が氾濫していますが、同じように見ていくことが大切ですね。
# by KubotaJunichiro | 2012-06-05 15:34

アンチエイジング

アンチエイジング、抗加齢、抗老化、何でもいいですが、最近、陳腐な言葉の代名詞に思えてきました。私、10年前に日本アンチエイジング医療協会という特定非営利活動法人を設立して、細々と活動してきました。事実、手弁当で、「美しさは心身の健康のうえに成り立つ」「アンチエイジングは見た目の若返りではない」という方向から、予防医学を考えようと活動してきたのです。
その後、雨後のタケノコのように「アンチエイジングクリニック」「アンチエイジングドクター」「アンチエイジングフード」・・・・・・・・等々、アンチエイジングという言葉が都合よく使われて、独り歩きしているのを見るにつけ、嫌気がさしていました。美容医療も正しく理解されているとは思えない場面に遭遇することが多々ありました。そんな中、私はアンチ・アンチエイジングだなんてよく言ってましたら、世の中、アンチエイジングではなくてエイジングという言葉を聞くようになりました。やっと私の考えていたことに近づいてきたなと自画自賛しています。心身共に健康で溌刺と生きる、まさにこれが私の考えているアンチエイジングなのです。そして、できるだけ社会貢献していただくことが重要であろうと考えています。私の仕事はそれを実現するためのお手伝い。そんな医療を目指します。
# by Kubotajunichiro | 2012-03-27 13:56

痩身・部分ヤセ

痩身、やせた体になることですか?体形・姿勢は骨がしっかりしていること、筋肉がしっかりとしていることが大変に重要です。毎日の運動をしないでいれば、筋肉は減ってきます。そうすると姿勢は悪くなり、お腹がポッコリでて、お尻は下がってきます。運動選手の体つきを見ると、運動の種類によって体形が異なるものの、引き締まって見えます。でも体重は意外に重いのです。皮下脂肪は少ないのですが、筋肉量が多いので重くなるのです。
 筋肉が少ないのにプロポーション抜群という若い人がいますね。じっとしているときはよいのですが、軽く運動している姿を見るとボヨンボヨンと身体が揺れています。。このような方が年齢を重ねると急激に体形が崩れていきます。いわゆる「隠れ肥満」といわれています。大切なのはしっかりした筋肉を保持することです。
 さて、肥満に悩んでいる方へのアドバイス。先ず、食事内容を見直します。食べ過ぎないこと(カロリー制限)、インスリンが急激にでにくい食物を選ぶことでほとんどの場合体重は減ります。体重は減ってきたら、軽い運動を毎日行う習慣を付けます。早歩きを毎日30分行うと、劇的に体重が減ってきます。ここでも大切なのは筋肉量。筋肉の少ない人(運動習慣のない人)はやせにくいです。筋肉がエネルギー消費量が多いので、当然の結果といえます。肥満の方がいきなり運動だけでやせようとしてはいけません。心肺機能がついていけないです。特にいきなり走り出してはいけません。体重が重いために、関節に負荷がかかってしまい、痛みが出ます。そして走れなくなります。これでは何のため運動しているかわからなくなります。
運動習慣がついてくると、体形は引き締まってきますが体重は減らなくなります。これは筋肉がついてきた証拠です。筋肉は脂肪に比較して同じ体積であれば重いのです。ちなみに脂肪は水に浮きます。
 さあ、大分引き締まってきました。それでも、なかなか皮下脂肪が減らない部位はわき腹です。ここでやっと美容外科的なアプローチを考えるのです。私が提案するのは超音波皮下脂肪融解です。安全で、日常生活に支障が全くありません。
脂肪吸引術でやせようなんて、言語道断です。脂肪吸引は部分ヤセで肥満解消ではないのです。手術を受ける場合は、高齢でないこと、基礎疾患・既往症のないこと、血液検査、心電検査、胸部レントゲン検査などを行って異常のないことを確認してからです。安易に手術を受けてはいけません。
# by KubotaJunichiro | 2012-02-29 13:59

美容皮膚科ってなに?

診療科という医療機関が専門の科名を表示することが法律で規定されています。ご存知でしょうか。すべて法律によって規制されているのです。私の専門は形成外科です。この表示名は比較的新しく許可されたものでまだ40年程度です。勿論、形成外科の診療内容は最も古い外科手術といわれていますので、法律とは関係ないのです。「美容外科」はもっと歴史の浅い、許可された診療科名です。この診療科名が許可されるまでの紆余曲折はいまでも先輩の先生方の語り草になってます。
 ところで、最近良く目にする「美容皮膚科」という表示はなんでしょうか。実はこんな診療科は認められていません。もし、看板に書かれていれば、法律違反、不当表示のはずなんですが、摘発されたって話は聞きませんね。どうなっているのでしょうか。但し、美容・皮膚科という表示は合法だそうです。
仮に、私が患者であれば「美容皮膚科」と不当表示しているクリニックには行きません。選ぶとしたら少なくとも日本形成外科学会専門医、日本皮膚科学会専門医、日本美容外科学会認定専門医を持っている医師が院長のクリニックを選びます。日本レーザー医学会レーザー専門医はレーザー治療のエキスパートです。受診される時の判断基準にしてみてはいかがでしょうか。
# by KubotaJunichiro | 2012-01-28 12:14

多血小板血漿注射・PRP・ACR

 ちりめん皺や軽度のたるみ、ニキビ跡の治療に自己多血小板血漿(PRP)注射が普及したのは良いのですが、良く調べてみると多くの医療施設がPRPと言っている注射の血小板が全然多くないものがあることがわかりました。驚くことに血小板数や血小板濃度を調べたことがない施設がほとんどです。ということは私たちが使っているようなPRP作成キット以外はいい加減に作っていることになるのです。
私たちの現在行っている方法は3倍以上の血小板濃度を確実に作ることはできます。高濃度に調整するのも容易です。私たちは血液検査でデータをだしていますので安心です。
 ところで、bFGFという成長因子(サイトカイン)を混ぜて注射した結果、凸凹になる被害が未だに減りません。どちらかというと増えています。私たちは絶対にやめてほしいと注意を促しているのですが、患者さんが望んでいるのではどうしようもありません。凸凹は何年も続く可能性があり、治療法もありません。皮下脂肪が部分的に増加していることをつきとめました。どうぞ皆さん、私の言うことを聞いてください。絶対にbFGFは混ぜないでください。bFGF混ぜたPRP注射は受けないでください。
# by KubotaJunichiro | 2011-12-20 11:48

形成外科久保田潤一郎クリニックの院長、久保田潤一郎による美容整形についての辛口コラム。

www.tb-clinic.com/
東京都豊島区南池袋1-18-1 三品ビル7F (JR池袋駅徒歩2分)

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